白雲の道

[No.3]歯の噛み合わせとからだの症状

Date:2003年08月08日(金)

8月8日天候曇り
毎週一回、予約時間に数分たがわずにやってくるSさん。今日もいつものように秒読みが出来るほど正確にドアが開いた。Sさんは長年懇意にしている歯科のS先生が数ヶ月前にちょっと診てくれと言って連れてきた20代の好青年。S先生は歯の噛み合わせの専門家でその技術は群を抜いている。
Sさんは以前に歯列矯正をしていて歯列はきれいになったが身体の方々に症状が出てそれが抜けきれないでいた。S先生のところで咬合を中心とした歯列の構築がなされてかなり改善されたがその詰めに鍼灸治療が功を奏するのではという期待がかかっている状況。
最初Sさんは鍼で何が出来るのか良く分からず、目を白黒させていたが今では鍼をすると歯の噛み合わせがより安定した状態に変わるのを体感する事が出来るようになっており鍼の信奉者になっている。
彼の特徴は例えば私が強制的に動かされた歯列や造られた歯芽はまだ自分のものになっていない。なぜかというとそれは部分的なものでからだ全体とタイミングが合っていなかったり、調和していないからだ。それらを正常にする。それは野球のバットとボールのタイミングを合わせ、からだと調和させることに似ている。と言ったとする。
実際に言ったのだが、その時彼は数秒考えて同じ事を自分の言葉で反復しこのようなことをおっしゃっているのですかと聞き返すのだ。私がそのとおりだと言うとにっこりして分かりましたと幸せそうな表情で答える。
今日も耳の内側と外側にある各症状のバランス点に鍼を施術し首から上の上位レベルから身体に対する働きかけを試みたが、施述後コーヒーを飲みながら耳の反応点は体に直接働きかけるよりも大づかみつまり社長が部下に指示を与えるようなものとおっしゃっているのですかと自分の言葉で聞き返す。近いがそうではない。社長は脳で耳の反応点は専務くらいだと言うとニコニコしながら分かりましたと答えた。
私は彼のこのような誠実さが大好きだ。このような誠実な繰り返しがSさんを進歩させたと思う。S先生も言うように体付きが変わってきた気がする。
歯の噛み合わせに関して私は非常に多くの試みを自分自身に対してして行なってきているが、ここに現代医学の盲点とたくさんの可能性を秘めた技術や叡智が隠れているように思うのは私だけだろうか。