白雲の道

[No.7]ビューテイフル

Date:2003年08月13日(水)

8月13日(水)天候晴れ
関東周辺では今日から3日ほどお盆休みで休業のところが多い。そんな中、当院は休み無しで開業している。例年までは休みにしていたが、最近仕事が仕事以上のものになってしまった。
この治療院は二つめの治療院で狭いがどんな人も受け入れる事が出来るあまり良い言葉ではないが、大風呂敷のような大きな器を持ったところにしようと決めた。そこに人生全体が映るからだ。
一つ目はここから電車で10分ほど下った北拍というところで7年ほど鍼灸専門で開業していた。その治療所は後輩に譲ったが数年前に閉鎖した。
50才を超えた今になって思うのだが人生はそれが間違っていようと正直な方がいい。始めは鼻声でうなるぐらいの暗い歌声で
あっても最後にさまざまな楽器が加わってオーケストラのような壮大なものになる。暗い唸りであってもその暗さはその人の真実であるならだれも否定できまい。
お盆休みもあって今日は暇だ。そんな中一人の中年女性がやってきた。Mさんだ。Mさんは10年ほど前から月に数回気が向いたときにやってくる専業主婦だ。
10年程前私は歯の噛み合わせが体や脳との中間にあってちょうど精神と肉体のギアに相当する事を知った。自分のからだがそのように示していたからだ。
その頃に通院していたのが昨日の日記に名前だけ登場した少女小説作家Fさんや今日のMさんだ。
Fさんの事はまた別の機会に紹介するとして今日のMさん。端的に言うとMさんはだれが見てもおそらく10年前より美しく幸せになっている。その頃から昨日の話での変身願望を持ち合わせていた人だが。始めは精神的な症状をもってこられたのではあるが途中から新しい自分への挑戦が始まった。
精神は肉体とのギアが入るや否や活気づく。
そのギアは独自の歯の噛み合わせ調整で運良く好転した。誰しも走ろうとしても走れず眠るとしても眠れず、また.何かを表現しようとしても宙をつかむような感覚の中で何が出来るというのか。彼女はこれを超えもうひとつの基準を理解した。それは姿勢だ。その人の姿勢が健康や精神状態を決めることに同意する事が出来る高い知性を持っていた。
簡単なバランスを補正しヒーリングが起きるように治療した後例によってコーヒを出して雑談。
昨日私は「アルジャーノンに花束を」というビデオを見て感動した。少し知恵の遅れた無邪気な青年がある手術によって知力が向上し、天才的になってゆく過程の中で人生を取り戻し、再びその手術の限界で元に戻ってゆくというものだが、その知力が戻ってゆくことを知っての言動と決断そして知力を失った後の天真爛漫の笑顔、この中で変わらないものは愛と誠意を持った者の個性だ。それは深くビューテイフルだった。そのことを彼女に話してみた。彼女はたまたま本でそれを読み、映画でも見た私の大好きな小説のひとつだといって目を輝かせて喜んだ。