白雲の道

[No.21]自律神経失調症

Date:2003年08月29日(金)

8月28日(木)天候晴れ
今日珍しく30年来の友人がやってきた。ここ20年ほど会った事はなかったTさんだ。
Tさんとは以前よくいっしょに飲み明かしたが健康の話は出た事はない。それほど健康で飲みすぎても酔いつぶれる事もなく、かといって騒いで楽しむタイプでもない。私と同じ年ではあるが今でもなかなかの色男だ。
そのTさんが会社を1ヶ月ほど休んでいると言う。豆な性格できれい好きなTさんが会社をそんなに長い間休んでいると聞いて驚いた。聞いてみると首の周りの凝りがひどくマッサージをしても何をしても取れず、呼吸が重く息苦しいと言う。病院で診てもらったところ自律神経失調症と言われたらしい。
自律神経失調症を訴えここに来られる患者さんはけっこう多い。自律神経失調症について少し説明してみよう。
自律神経失調症とは簡単に言うと無意識的に律動して働いている自律神経がそのリズムを失っていると言う事だ。
どうして律動と言うかというと自律神経は交感神経と副交感神経の二つで成っていてそれが交互に働くからだ。
それが失調するとどのように具体的に症状に現れるかというと気力を出そうと思っても身体は反応もせず、逆にリラックスしようと思っている時に心臓や呼吸が乱れ戸惑ったりパニックになったりする。
この自律神経の失調で死ぬ事はないと言われているが、本当は誰しも死ぬときはこの自律神経の失調で死んでいる。そのときは心不全とか老衰と書かれているが、症状としては自律神経の失調だ。
息が止まって戻ってこない状態で死ぬわけだから自律神経の失調はまちがいないのだが、その原因は他にある。
この辺がややっこしいことになる。結論的に言うと自律神経失調症は原因が自律神経にあるのではないのだ。他に原因がある。例えば首がねじれるようなゆがみがあったとする。そうすると首の周りに違和感を感じることになるが、当然呼吸が重い苦しさと不安を感じるだろう。その時自律神経は乱れる。何のためにだろうか。そのストレスを取り除くためだ。
自律神経が首の周りのストレスを呼吸や心臓のリズムを制御して取り除こうとする。そのときに自律神経は特有の揺らぎをつくる。そのために突然パニックになったり、鬱になる。
もしこの無意識が創りだす揺らぎでそのストレスがびくともせずにそこに留まるなら自律神経そのものが弱ってゆく事になる。精神安定剤の類を飲んでも同じ事だ。
ではどうするか。それは首の周りのストレスを筋バランスを整えて軽減する事だ。筋肉の疲れや凝りをとっても治らない。バランスが問題なのだ。自律神経のバランスではない。この場合だと首の周りの筋バランスだ。自律神経は無意識がバランスをとる。

治療の後、コーヒーを出して雑談。
よっぽど精神的に参っているようで少しうつ向き加減だ。近所でこの自律神経失調症で亡くなった人がいるらしくその不安から仕事どころではなくなったと言う。
実際この自律神経から来る不安は誰しも死を予感するものになる。特に今まで健康で過ごした人には俺ももう終わりかなと思うのも無理はないが、心配する事はない。自律神経はそれほど柔ではない。そのように言うとちょっとは安心した顔をしていたが、昔飲んで騒いでいた私とオーバラップして今一信用できない様子だ。無理もない事だと思った。