白雲の道

[No.88]鬼に変身した天使

Date:2003年11月14日(金)

11月14日(金)天候晴れ
昔、戦国の時代であった日本のあるところに、4人の天使が舞い降りた。彼らは自由自在に身体を変化させる能力を持っている。
ある天使は恐ろしく強い武将にその姿を変えた。
ある天使はこの世の者とは思えないほどの美女の姿になった。
ある天使は鬼のような姿と暴力的なパワーを持った者になった。
またある者は平凡な農夫になった。
今回彼らがこの世界に来たのは完全なバカンスであり使命はない。
彼らはいつも天使の視点から観て困っている人や頑張っているのに報われない人たちを影ながら助けていたのだが、今回は今までちょっと不満に思っていた事や自分が人間だったらこのように生きるのにと思っていた事を存分にやってみる事が出来る。それにも増してバカンスなので普段の欲求不満を一気に発散させようとしていた。
始めはみんな冗談感覚だったが、だんだんと楽しくなって彼らはその姿を本気になって謳歌した。しかしその状態を過ぎると何でもありの戦国時代に深く巻き込まれ状況は一変していった。
強い武将に変身した天使は始め意気揚揚としていたが、戦国の悪知恵働く謀略にはまり精神が疲れ果ててしまっていた。
美女に変身した天使は最初は最高に気分が良かったが、だんだんと見栄っ張りの者ばかりが自分の周りを埋め尽くしているのに気がつき嫌気がさしきてきた。。
しかし鬼のような姿になった天使は圧倒するパワーで悪徳で豪勢な暮らしをしている者をその城ごと破壊して気分が良かったが、ちっぽけな身体で粗末な生活ではあるが、いたわり合いながら生き、天子のような心を持った人達を気にするようになった。
平凡な農夫になった天使は始めは辛かったが、だんだんと天空と大地がもたらす非凡な大いなる喜びの波動を日増しに感じていた。
天に戻って彼らは皆で話し合った。彼らの経験はみんな180度ほど違っていたが共通したものがあった。それは天から観るのと人の中から観るのとでは始めの頃は一致するが、日々の経過と共にそれは180度反転する。
不思議な事にその後、もっとも天子の仕事に猛然と頑張るようになったのは鬼になった天使だった。強い武将と美女になった二人の天使は数ヶ月の間仕事をするのを嫌がった。農夫になった天使は今まで以上に大きな視点を持って淡々とその仕事を続けている。
午後の一番終わりに架空の人Gさんがやって来た。架空の人といっても背景はぼかしてあるものの実際に来られている。
軽い調整の後、カウンセリング兼雑談。
どうですか。軽い調整なのですが、姿勢の歪みを修整しました。分かります。身体が楽な感じがします。
最近どうしても気力が湧かないのですが、先生カウンセリングしてくれますか。原因なくわたし自身何かに流されてゆくような気がするんです。
ある手法に基づいて今の心の傾向を調べてみた。その事で分かった事は一生懸命に頑張ってきたその努力は人並みはずれたものがあるが彼女には視点の位置を変える習慣があまりない。
自分の我を押さえて人のために無私の愛をモットーとした彼女の生き方は分かるが、その人の本質である観る者から見て心がもっとも生き生きと活気付くのは美ししい生き方や強そうな生き方を続けるのではなく、自分自身を浮き彫りにするような生き方にある。
それは天使からそれ程立派ではない人、逆にそんな人から天使に視点を変えることで起こるのではないだろうか。